令和4年(2022年)守屋市長新年のごあいさつ

市民の思いを乗せ 
世界が憧れるまち〝小田原〟の実現へ

新型コロナウイルス感染症との闘い
昨年は、一昨年に続き新型コロナウイルス感染症に立ち向かった一年となりました。
8月には新規感染者が爆発的に増加し、神奈川県に3回目となる緊急事態宣言が発令されました。こうした中であっても、関係機関が連携して地域の医療体制を維持し、厳しい状況を乗り越えることができました。
また、ワクチン接種も順調に進み、国が示す目標を達成できたものと考えています。ご協力をいただいた医療従事者や多くの関係者の皆さんに感謝申し上げます。既に、追加接種(3回目接種)が始まっていますが、円滑な接種が進むよう体制を整えてまいります。
また、現在も、感染対策と社会経済活動の両輪を回していくという難しい局面が続いていますが、ブレーキとアクセルのバランスを見極めながら、「市民の命と暮らしを守る」ための取り組みを行ってまいります。

魅力あふれる小田原
コロナ禍という難しい状況下ではありましたが、昨年新しい施設が次々とオープンしました。
公民連携の拠点となる「おだわらイノベーションラボ」をミナカ小田原内に開設。そして、市の新たな観光の拠点となる「観光交流センター」、市民の念願であった新たな文化・芸術の拠点となる「小田原三の丸ホール」もオープンしました。これらの施設は、魅力あるまちづくりには欠かせない施設です。市民や連携する企業など、多くの皆さんに末永く愛される施設となるように、ともに育てていきましょう。
また、東京オリンピック・パラリンピック2020も印象的でした。特にパラリンピック競技では、生き生きと自分らしさを表現するパラアスリートに感銘を受けました。誰もが自分らしく生き、多様性が認められる世の中となるよう、本市でも、効果的かつ横断的な体制を整えて、地域共生社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

時代のうねりを見極めて
近年、社会情勢は大きく変化しています。気候変動などによる災害が全国的に猛威を振るい、本市でも昨年、豪雨による土砂災害などの被害が発生しました。迅速な対応に注力する中、正確な情報を即時に発信する重要性と難しさを痛感しました。今後は、防災行政無線の在り方なども検討しながら、災害への備えを一層強化してまいります。
また、こうした気象災害を防ぐためにも、世界共通の目標である2050年の脱炭素社会の実現は、日に日に重要度を高めています。本市では、再生可能エネルギーを無理なく無駄なく地域で消費するための仕組みの構築に向け、公民連携を拡大・深化させながら全国に先駆けたモデル事業を次々と展開しています。脱炭素社会への挑戦をさまざまな政策の前提とし、取り組みのさらなる推進を図ってまいります。
次世代を担う子どもを取り巻く状況も、少子化の進行や新しい生活様式、ICTを活用した教育の推進など、大きく変化しています。こうした状況下においても、子どもにとって望ましい教育環境の基本的な考えをまとめる「新しい学校づくり推進基本方針」の策定に取りかかります。
コロナ禍で、働き方の変化に伴いテレワークなどが生活の一部になり、生活様式も変わってきました。これにより、交通の利便性や豊かな自然環境といった本市のポテンシャルが際立ち、移住者の増加にもつながるなど、本市の人口は社会増が続きました。その動きをさらに加速させるべく、質の高い魅力的な働く環境を市内に生み出すなど、若い世代を中心とした転入の増加を図ってまいります。
さらに、本市の持つ食文化を生かした「美食のまちづくり」により、小田原の魅力を発信するとともに、「食」をキーワードにさまざまな人たちが集まり新たなビジネスの機会を創出するような取り組みを進めることで、地域経済の活性化を目指してまいります。
そして、市民が恩恵を享受できるようなデジタル化の推進や、昨年新設した民間提案制度などを活用した公民連携を進めることで、これらの施策を加速させ、市民の皆さんの生活がより豊かになるように取り組んでまいります。
 
世界が憧れるまち“小田原”の実現に向けて
2030年に向けた市政の羅針盤となる第6次小田原市総合計画は、小田原市議会12月定例会で基本構想を承認いただき、4月からのスタートへ向け策定作業もいよいよ最終局面を迎えています。これまでに、市民アンケートの実施や小・中学生による絵画、100文字作文の募集を通じて、多くの人に計画づくりに関わっていただきました。   
また、市民との懇談会やさまざまな会議体においても、感染症対策に取り組みながら対話を重ね、その意見に耳を傾けてきました。
総合計画は、市民の皆さんの思いを形にし、将来の目指す姿を共有できてこそ大きな意味を成すものだとの認識に立ち、「豊かな自然環境の継承」を土台に、「生活の質の向上」と「地域経済の好循環」を具現化してまいります。そして、本市が目指す将来都市像「世界が憧れるまち“小田原”」の実現に全力を尽くします。

本年が皆さんにとって素晴らしい一年となることを心からお祈り申し上げます。
 
令和4年元旦
小田原市長  守屋 輝彦

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