新たな賑わいの創出
昨年は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催延期など、世界が大きな影響を受けた一年となりました。
このような中、市制施行80周年、小田原駅開業100周年、小田原城天守閣復興60周年と、本市にとって記念すべき年を迎え、先人たちが築き上げたこの小田原のまちの歴史を改めて振り返るよい機会になったと思います。
また、12月には小田原駅東口に「ミナカ小田原」がグランドオープンを迎え、「小田原三の丸ホール」は9月のオープンに向け、着々と工事が進められています。これらの施設が、小田原駅周辺に新たな賑わいを創出するものと期待しています。
市民の「いのち」と「くらし」を守る
市長就任後、まず何より市民の「いのち」と「くらし」を守るため、新型コロナウイルス感染症に係る予算を措置し、本市独自の支援策として、市立小中学校の給食費3か月分の無償化、おだわらっこ応援券やおだわら梅丸商品券の発行、また事業者へは、中小企業事業者等支援金の対象拡大などを実施しました。市民生活や地域経済を守るため、今後も着実かつ迅速に対策を講じていきます。
新病院建設については、平成30年12月に策定した「小田原市立病院再整備基本構想」などを基に、新病院の機能や運用、建設条件をまとめた「小田原市新病院建設基本計画」を策定しました。今後は設計や周辺道路の整備を進めながら、令和8年度の開院を目指します。本市の医療だけでなく、県西地域の基幹病院としての役割を担い、地域の皆さんが24時間365日安心して暮らせるよう、質の高い医療の提供に努めていきます。
災害対策について、昨年は本市に大きな被害をもたらす台風や大雨はありませんでしたが、コロナ禍での風水害に備え、市と市内大型商業施設と地元自治会の三者で協定を結び、商業施設内駐車場で車中での一時避難が可能になりました。引き続き、いざという時の体制をより一層強化していきます。
未来に向けた新たな取り組み
国ではデジタル庁の設置やスーパーシティ構想など、デジタル化に向けた動きが顕著になり、本市でも、昨年10月に「デジタル化推進本部」を設置しました。デジタル技術を医療や教育、防災などに取り込むことで、私たちの暮らしがより一層便利で快適なものになるよう、市を挙げてデジタル化によるまちづくりの推進に力を注いでいきます。
コロナ禍での生活スタイルの変化により、リモートワークやワーケーションなど、都市部を離れ、郊外で過ごす動きが活発になっています。このことで、森里川海がコンパクトにまとまり、交通の利便性が高い小田原の特性が注目され、市への移住相談件数は前年の約3倍に増加しています。市内の一部のゲストハウスでは、小田原暮らしに関心を持った人向けの「お試し移住」の受け入れなど、さまざまな動きが始まっています。この機会を生かし、移住促進や企業誘致、個人の起業スタートアップ支援を進め、地域経済が活性化していくことを期待しています。
こうした新たな取り組みを進めるうえで、「女性の力」と「若者の力」に注目しています。昨年2月に職業生活における女性活躍の推進を図るため「おだわら女性活躍推進アクションプログラム」を策定し、女性が活躍できる環境づくりを進めてきました。また、若者の力や思いをまちづくりに取り込むべく、市役所内では新たな仕組みづくりを検討しています。
そして「世界が憧れるまち“小田原”」へ
今年は市長として2年めの舵取りとなります。これまで市長として感じたこと、また県職員や県議会議員の経験を生かしながら、引き続きスピード感を持って市政運営を進めていきます。
そして、「生活の質の向上」と「地域経済の好循環」、この両輪を回し「世界が憧れるまち“小田原”」の実現に向けて全力を尽くしていきます。
本年も皆さんにとって、健やかで幸せな一年になりますよう心から祈念いたします。
令和3年元旦
小田原市長 守屋 輝彦