神奈川県議会 平成24年9月21日 第三回 定例会

神奈川県議会 平成24年 第三回 定例会

◆《本会議録-平成24年第3回-20120921-027219-質問・答弁-守屋てるひこ議員-一般質問①「かながわの水」について②看護職員の養成について③小田原漁港整備による水産業の活性化及び地域経済への波及効果について》

   〔議会局長報告〕
  出席議員 議長共99名
〇議長(竹内英明) ただいまから、本日の会議を開きます。
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〇議長(竹内英明) 審議を行います。
  日程第1、定県第61号議案 平成24年度神奈川県一般会計補正予算外16件並びに日程第2、認第1号 平成23年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県病院事業決算の認定について、以上一括して議題といたします。
  これより質問並びに質疑を行います。
  質問の通告がありますので、順次発言を許します。
  守屋てるひこ君。
〔守屋てるひこ議員登壇〕(拍手)
〇守屋てるひこ議員 おはようございます。
  私は自民党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次質問を行います。
  知事、企業庁長、関係局長におかれましては、明確なご答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員におかれましては、どうぞご清聴賜りますようお願い申し上げます。
  政治とは可能性の芸術であり、関係性の科学である。この言葉はドイツの宰相ビスマルクの言葉です。我々の前には県政の課題が山積しております。前例にとらわれず、あらゆる可能性を排除せずに、恐れず、ひるまず、真正面から取り組んでいくことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
  質問の第1は、かながわの水についてです。
  私は、昨年の第3回定例会で、かながわの水、特に水収支分析について質問をいたしました。きちんとした水循環を再構築することの重要性を質問いたしました。今回の質問においても、どのようにして水循環を図っていくかという観点で質問をいたします。
  私の質問がきっかけになったかどうかはわかりませんが、本年スタートした総合計画「かながわグランドデザイン」のプロジェクトに、水のさとかながわづくりが盛り込まれました。まさに、私の意を酌み取っていただいたのかと大変光栄に存じます。
  神奈川県は、東北地方や甲信越地方などの、いわゆる名水の産地とは異なり、環境省が行った名水100選においては、昭和60年選定の名水100選では秦野市の秦野盆地湧水群及び山北町の洒水の滝・滝沢川が、平成20年選定の名水100選では南足柄市の清左衛門地獄池が選定されていますが、合わせて200カ所中3カ所と、全国的に見れば必ずしも多いほうとは言えません。そのため、多くの方に水のさとかながわを連想していただくためには、何らかの工夫が必要と考えます。
  7月に本県が実施した水のさとかながわのキックオフ・シンポジウムには私も参加させていただきました。その後、かながわ水の名産展や水のさとかながわをめぐる旅など幾つかのイベントを実施してきていることは承知しております。しかし、県民が神奈川は水のさとであると実感し、さらには県外から訪れていただく方にとっても、神奈川が水のさとであるというイメージを持っていただくためには、今後は普及啓発イベントから一歩踏み込んだ仕掛けが必要になってくると思われます。
  そこで、知事に伺います。
  新たな総合計画に盛り込んだ水のさとかながわづくりには、その狙いとして水の恵みによる豊かな地域づくり及び豊かな水を育む水源環境づくりが掲げられておりますが、水のさとかながわづくりをプロジェクトに盛り込むに至った背景や、本事業にかける知事の意気込み、そして将来像をどう描いているのかお伺いします。また、水のさとかながわづくりを、今後どのような形で事業展開していこうと考えているのか、お伺いをいたします。
  次に、地下水の保全について伺います。
  一般的に、水というと、湖や川といった表層にある、いわゆる表流水に目が行きがちであります。しかし、目に見えない地下水も重要な水資源であります。
  これまでは、地下水は私の水、いわゆる私水として扱われてきております。確かに現行の法制度上ではそのように解釈せざるを得ないかもしれません。しかし、現在、国においては、健全な水循環を維持・回復させることを目的とした水循環基本法を検討しております。この水循環基本法では、水は国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものであるとされる方向で検討されております。
  熊本県では、生活用水の大部分を地下水に依存していることもあり、地下水採取の許可制などを盛り込んだ熊本県地下水保全条例を今年改正いたしました。この条例においても、地下水を公共水とすると位置づけております。このように、地下水に対する意識も徐々に変化してきております。
  本県において、上水道の水源別構成比は、その多くが河川水によって賄われており、伏流水、湧水、地下水が占める割合は全体の約7%という状況にあります。しかし、小田原市、秦野市、座間市、南足柄市などは地下水が豊富であり、古くから地下水を有効に使い、また、生活の一部となっている地域もあります。このため、県西部地域における地下水の水源別構成比は約35%と、県平均と比べると5倍近い状況にあります。また、秦野市では自己水源の9割、座間市では自己水源の全量が地下水となっており、この貴重な水資源である地下水を将来にわたり確保していく持続可能な取り組みを、我々は怠ることはできません。
  温泉地学研究所の調査結果によると、足柄平野にある自噴する井戸の面積が1961年では18.79平方キロメートルであったのに対し、2012年時点では13.49平方キロメートルと、約3割も減少していることが判明いたしました。また、地下水の揚水量は1960年代レベルまで減少したのに、自噴する井戸が回復した話は聞いておりません。その原因は、水田の減少によるかんがい水量の減少など、平野部での水源涵養機能が低下したのではないかと思われます。
  地下水保全対策については、本県では水源環境保全・再生施策の一つとして推進しており、これまでも地下水を主要な水道水源としている市町村が地下水保全計画を策定する際の支援や、策定した計画に基づいて市町村が実施する地下水位のモニタリングや地下水涵養・汚染対策に対して支援をしていると承知しております。
  「水源環境保全・再生実行5か年計画」も今年度から第2期計画がスタートし、計画を構成する地下水保全対策についても取り組みがスタートいたしました。これまでの第1期5年間の取り組みで明らかになった課題を十分に踏まえて、より効果のある取り組みにしていく必要があります。
  また、地下水を保全していくためには、市町村だけが主体となって取り組むのではなく、県民の理解や協力を得て推進していくこと、まさに県民総力戦で取り組むことが重要であると考えます。
  そこで、環境農政局長に伺います。
  今後、第2期計画に位置づけた地下水保全対策について、どのような考え方で取り組んでいくつもりなのか。また、地下水保全のために県民と協力して取り組んでいくことについて、どのように考えているのか伺います。
  次に、社会経済情勢の変化に対応した県営水道施設の維持・更新について伺います。
  神奈川県内の年間給水量は、平成4年度の12億5,600万立方メートルをピークに、それ以降は漸減して、平成22年度は11億3,200万立方メートルとなっており、ピーク時と比べると、需要量は約1億2,000万立方メートルも減少しております。
  今後、神奈川県の人口予測では2019年をピークに減少に転ずるとされております。実際のピークはやや後ろにずれることが予測されますが、間違いなく人口は減少に転じます。また、水を大切に使おうとする節水意識の高まりや節水技術の開発なども踏まえると、将来的にはさらに水需要が減少することが予想されます。
  水需要の減少に伴って水道料金収入が減少すると、水道事業を適切に運営するための財源確保が難しくなることが容易に予想されます。
  県営水道は、大規模な浄水場は寒川、谷ケ原の2カ所の浄水場を抱えております。また、送水施設は97カ所、送水管延長は約218キロメートル、配水池136カ所、配水管延長約8,839キロメートルと、膨大なストックを抱えております。
  社会インフラ全般にも当てはまることですが、多くの水道事業では高度経済成長期に集中的に施設を整備しており、今後これらの施設の多くが老朽化して、一斉に更新時期を迎えることなると、そのための費用が急増することになります。さらには、さきの東日本大震災を例に地震災害対策を充実させることも急務であり、水道事業の置かれた経営環境は非常に厳しいと考えます。
  このような状況の中、神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市の4水道事業者に水道企業団を加えた五つの事業者は、神奈川県内水道事業検討委員会を設置して、共通の課題である水質管理の強化、水道施設の効率的な更新、電力消費の削減による二酸化炭素排出量の低減化について検討を行い、平成22年8月には、おおむね30年後のあるべき姿の構想を報告書として取りまとめたところであります。
  この報告書によると、浄水場の統廃合により水需要に合わせた供給能力の適正規模への縮小や、二酸化炭素排出量の削減を目指した上流取水など、水道システムの再構築を図ることが示されております。
  そこで、企業庁長に伺います。
  このような状況を踏まえ、水需要の減少など、社会経済情勢の変化に対応した水道施設の維持・更新のあり方について、県営水道ではどのように考えているか伺います。
  以上です。
〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 黒岩知事。
〔知事(黒岩祐治)登壇〕
〇知事(黒岩祐治) 守屋議員のご質問にお答えします。
  神奈川の水について何点かお尋ねがありました。
  まず、水のさとかながわについてです。
  最初に、プロジェクトに盛り込むに至った背景や意気込みですが、私は知事就任以来、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指してまいりました。いのち輝くとはどういうことか、マグネットとは何かについて、庁内から政策提言を募集したところ、水について書いてくる職員が何人かいたことから、確かに神奈川は水が豊かで、それが県の誇りでもあるなということに気づきました。
  現在、利根川水系の1都5県では水不足により、取水制限が行われていますが、本県ではそのような心配はありません。これも、これまでの神奈川をつくってこられた先輩たちの取り組みのおかげであります。
  丹沢山系は豊かな森に水を蓄えた、いわば緑のダムであり、やまなみ五湖には満々と水がたたえられております。良質な水があるからこそ、おいしい特産品が生まれ、川のほとりや海辺にはウオータースポーツなど、神奈川ならではの楽しみ方がたくさんあります。
  水にこだわることで、神奈川のいろいろな可能性が浮かんでまいります。その一つ一つに対する取り組みを総合したもの、それが水のさとかながわであります。この取り組みを通じて、水の恵みによる豊かな地域づくりを進め、神奈川の魅力を再発見し、行ってみたい、住んでみたいと思われる神奈川をつくりたいと考えております。
  次に、今後の事業展開ですが、水のさとかながわづくりの事業は大きく三つの柱で構成されています。
  まず初めに、保水力のある山を育てることです。本県では県民の皆様から特別な税金をいただいて、水源の保全・再生に取り組んできており、今後とも水源の森林を適切に管理・整備してまいります。
  次に、水を育み、守る取り組みです。神奈川の水は森林ボランティア活動や桂川、相模川等の環境保全活動など、たくさんの人々に支えられてきました。こうした協働の取り組みを推進するとともに、水を大切にする心を育む環境教育や体験活動などに取り組みます。
  さらに、水を生かす取り組み、これも大切です。水辺のレジャーや美しい風景、水の特産品などを観光資源として活用した水の観光キャンペーンを実施し、神奈川の水の魅力を発信していきます。
  このように水のさとかながわは、森・川・海のつながりの中で、多くの局が横断的に取り組むものですので、全庁一丸となって進めてまいります。
  私からの答弁は以上です。
〔環境農政局長(中島正信)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 中島環境農政局長。
〇環境農政局長(中島正信) 環境農政局関係についてお答えいたします。
  地下水保全対策についてお尋ねがございました。
  水源環境保全・再生施策は森に降った雨が川や地下水となって海へ流れ込み、海水が蒸発して雲が発生し、再び雨となって森に帰っていくという水の大きな循環を前提とした取り組みでございます。
  そこで、県では、水循環の一翼を担う地下水について、将来にわたって水位や環境の面で影響のない水質、これを維持することを目標として水道の水源としている市町が実施する地下水保全の取り組みに対して支援してまいりました。
  取り組みを開始いたしました平成19年度から現在までのところ、モニタリングを行った井戸の水位に大きな変化はございません。今後も引き続き市町と連携してモニタリングを継続し、結果を注視してまいります。
  仮に地下水の水位や水質に変化が認められた場合には、速やかに対策を検討する必要がございます。そのため、地下水を水道水源としているすべての市町で計画的にモニタリングを実施していくことが重要でございますので、現在、地下水保全計画を策定していない市町に対して策定を働きかけてまいります。
  次に、県民の皆様と協力した取り組みについてでございます。
  地下水の保全を初めとした水源環境の保全・再生には、県民の皆様の理解と協力が不可欠でございます。県ではこれまでも市民団体やNPO等が実施する地下水の保全活動を支援の対象としてまいりましたが、周知が十分でなかったこともあり、活用が図られておりませんでした。
  そこで、今年度からスタートいたしました第2期計画では、支援対象となる事業の内容を明確化し、周知をすることで、市民団体等の地下水保全活動を促進してまいります。こうした取り組みを通じまして、地下水保全に対する県民の皆様の理解を広げてまいりたいと考えております。
  答弁は以上でございます。
〔企業庁長(古谷幸治)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 古谷企業庁長。
〇企業庁長(古谷幸治) 企業庁関係についてお答えいたします。
  社会経済情勢の変化に対応した水道施設の維持、更新のあり方についてお尋ねがございました。
  県営水道の給水量は平成4年度に過去最大を記録して以来、減少傾向にありますが、今後も増加が見込めないことから、厳しい経営状況が続くものと考えております。このような状況の中で、今後増大する老朽化した施設の更新に当たりましては、供給能力を適正規模に縮小し、再構築することが不可欠であると認識しております。
  県営水道、横浜市、川崎市、横須賀市の水道事業者に神奈川県内広域水道企業団を加えた5事業者は、これまで共通の浄水場から水道水を供給するなど、共同して事業に取り組んでまいりました。このため、再構築を実施する際には5事業者が連携して進める必要がございます。このことから、県内の主要な水道施設の更新時期となりますおおむね30年後の長期的、広域的な構想として、浄水場の統廃合や共通利用の施設をふやし、事業者全体で供給能力を縮小する方向性を取りまとめたところでございます。
  構想の実現には長期間を要しますが、可能なものから順次具体化すべく、現在は実務者の検討組織を立ち上げ、課題の洗い出しなど、必要な検討を行ってございます。
  そうした中で、県営水道の中期的な取り組みといたしましては、この構想に沿って配水池などの統廃合を図り、更新すべき施設の削減に努めながら維持、更新を進めているところでございます。
  水道管の更新の際には需要量に応じて口径を小さくし、古い管の中に新設管を挿入する等の新しい工法を採用することにより、更新にかかるコスト削減を図ってございます。また、こうした取り組みを確かなものにするために、適切な維持管理により、施設をできるだけ長く使用することで、更新費用が集中しないよう工夫してまいります。
  さらに、重要な施設から優先的に更新を行うなど、効果的で計画的な投資を進め、水道水の安定供給が将来にわたり持続できるよう努めてまいります。
  私の答弁は以上でございます。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〇守屋てるひこ議員 水のさとかながわづくりにかける知事の意気込み、よくわかりました。この点に関しては全く私も同意見でございますし、ぜひ応援をしていきたいと考えております。
  1点、再質問させていただきます。
  今年度、事業がスタートした水のさとかながわづくり、いろいろなイベントを実施してきていることは事実、私も承知しております。これは県民の機運を高めるために必要な政策だと思いますが、今までやってきたイベントの効果をどのように考えているのか、お考えをお伺いいたします。
〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 黒岩知事。
〔知事(黒岩祐治)登壇〕
〇知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。
  水のさとかながわ、いろいろ展開したイベントの効果、県民の機運をどこまで盛り上げているのかということであります。
  まだ、これは始まったばかり、4月にキックオフ・シンポジウムをやりました。そして、8月にはみなとみらいの帆船日本丸の前で、観光親善大使の河村隆一さんと私の二人でトークショーをやりました。そして、今いろいろなことをやっているのですね。県のたよりで書くのはもちろんのこと、神奈川新聞、テレビ、ラジオ、私自身もテレビ、ラジオの番組がよくありますから、その中でも一生懸命言っておりますし、ついこの前はテレビの番組の中で葉山の海でダイビングをして、水のさとかながわ、ダイビングでも神奈川は魅力的なとこだぞということをアピールもいたしました。それから、そごうでのパネル展だとか、横浜ウォーカーで神奈川の名水特集をやってもらったり、水のさとかながわのパンフレット、また、るるぶ特別編というので、水辺で遊ぼうなどという、そういう形での展開もしております。水の観光ホームページ、みずたびというものも開設いたしました。
  いろいろなことをやっているのですが、それがどこまで県民の皆様の機運を醸成しているかということは、なかなかまだはかり切れないところはあります。しかし、先ほど申し上げましたけれども、今回の水不足と言っている中で、ニュースを見ていただきますと、神奈川を除く関東各県は水不足と言っていることを見ていただいて、これも一つ、皆様の中で、神奈川の水というのはそうなんだなということを皆さんに周知していく、そういう一つのきっかけになるのではないかと期待しているところであります。
  以上です。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〇守屋てるひこ議員 ありがとうございました。
  まさに、先人たちが残してくれたこの貴重な神奈川の財産、水の財産ですから、それをしっかりと守っていきたいと思います。確かに今年始めた事業ですから、効果が出るのはもう少し先だと思います。ただ、知事いわく、圧倒的なスピード感とロケットスタートというのが、黒岩知事の持ち味だと私も思っておりますので、ぜひ、今ここ、やはりスタートは大事だと思うのです。ここからしっかりと取り組みをしていただきたいと思います。
  今年の夏に私は熊本県を訪れました。先ほどの質問の中でも、熊本県の事例を出しましたが、地下水を大切に使うという意識を県民が共有しているのですね。ホテルのシャワー室の中にも、この地下水を大切に使いましょうというステッカーが張ってあります。まちの人に、水についてというお話をしてみても、結構みんないろいろ意識を持っている。これが県民総力戦という部分だと思いますので、ぜひともいろいろな事業を通して、県民の機運が、神奈川は水のさとだと思うような取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
  私は、さらにこれをもう一歩進めていくためには、象徴的なモデル事業というのも行く行くは必要になってくるのではないかというふうに思います。私の地元小田原には、土木遺産に指定された荻窪用水というものもございますし、山の中には大正時代にかつて小水力発電を行っていた施設の遺構など、あらゆる地域資源が眠っております。私は、これらの地域資源を活用した水のさとかながわづくりの腹案がありますので、ぜひ機が熟しましたらそういう提案もさせていただきたいと思います。
  県西部では地下水の利用が盛んなことは、先ほどお話をしたとおりです。小田原には、富む水と書いて富水という地域があります。その名のとおり水が豊かな地域であります。こういうすばらしい地域が、神奈川県じゅう、至るところにあります。そういうものを後世に残していくのが我々の責務であります。
  地下水というのは何か現象が我々の目の前にあらわれてからでは対策が遅過ぎると思いますので、やはり量という観点からも、質という観点からもモニタリング、これは徹底してやっていただきたい、そういうお願いをしておきます。
  そして、「水源環境保全・再生計画」、地下水の保全計画を策定する市町村への取り組みを働きかけしていくということでしたが、ここ数年、その計画の策定のペースが少し落ちてきているというふうにも思います。これは県が策定することではなくて、市町村が策定することですが、ぜひその計画策定の意義やそれに基づいて行う事業の効果について説明をして、計画策定の働きかけをしていただきたい。そして、その事業の支援をしていただきたいということの要望を申し上げさせていただきます。
  そして、水道事業についてお話をさせていただきます。
  先ほどの報告書、五つの事業体が絡んだ報告書は大変示唆に富んだ報告書だと思います。30年後を見据えて、今からどういう体制を整えていくのか、これは結構大変な苦労があったと思うのですね。何しろ事業体が違うものを、いろいろ共同事業を実施していこうということですから。ぜひ、ここでまとめた成果を実施に移していただきたい。確かに長期的なビジョンですから、なかなか今すぐにとは言わないですが、施設の更新時期が数年後に迫ってから何かを始めるというのでは、やはり遅いというふうにも思いますので、長期スパンであっても、タイムスケジュールをしっかりつくって進めていただきたいというふうにも思います。
  水需要が変化して水利権の問題等が絡んでくると、非常に難しい問題になりますけれども、水需要が減ったときに、いろいろな環境、水環境はどう変化するか、想像力を膨らませて取り組んでいただきたい。事業体の垣根を越えた今後の取り組みに期待をしております。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〔守屋てるひこ議員登壇〕
〇守屋てるひこ議員 質問の第2は、看護職員の養成について伺います。
  本県の就業看護職員は平成22年時点で約6万7,000人であり、人口10万人当たりの就業看護職員で見てみると、全国平均は1,089人であるのに対して、本県は736人と全国で最も少ない状況にあります。平成21年度に策定した第七次看護職員需給見通しにおいては、離職率や再就業者率の改善などを盛り込んでも、平成23年には1万4,050人の不足、平成27年には1,778人まで縮小するものの、看護職員不足の状態は当面続くと見込まれます。
  このような状況のもと、本県では、昨年12月に神奈川県における看護教育のあり方検討会を設置し、本年6月には第一次報告を取りまとめたところであります。この第一次報告では、まとめとして、看護師の養成をふやし、離職防止などとあわせて、県全体として就業看護師数を増加させるとともに、准看護師課程から看護師課程への移行のための支援策を講ずることを前提として、准看護師養成は早期に停止すべきという方向でおおむね委員の意見が一致したとされております。
  この報告書が出されたのが6月15日付であり、これを受けて、6月19日の我が会派の小川議員による代表質問を受けて、平成25年4月の入学者を最後に、県立衛生看護専門学校の准看護師養成課程の募集を停止する。民間の准看護師養成施設に対する運営補助金も、平成26年度末限りとしたいとの答弁がありました。
  15日付の報告では早期に停止するとされたものが、4日後の答弁では2年後に停止したいと、いきなり期限が示されたことに加えて、養成停止の前提と明記された県全体としての就業看護師数を増加させ、准看護師課程から看護師課程への移行のための支援策の具体的な方策が示されていないことが大きな波紋や不安を呼んでおります。この点については、看護教育のあり方検討会の委員からも同様の指摘があったところです。
  県全体で働く看護師及び准看護師の5.5人に1人が准看護師でありますが、福祉施設では3人に1人が准看護師であります。そのため、福祉施設では、准看護師養成停止の影響が、結果として福祉現場の看護職員の人材不足に拍車をかけることにならないかとの声があります。
  また、准看護師養成課程を看護師養成課程へと移行するには、施設の改修や移行期の運営資金の確保など多額の費用が必要になるとともに、教員の補充や新たな実習先の確保など、乗り越えなければならない課題が山積し、本当に看護師養成課程への移行が短期間でできるのか、疑問視する声もあります。
  また、働きながら資格を得たいというメリットがなくなってしまうことや、生徒の経済的な負担の増加、多様な人材育成、就業の機会を喪失してしまうことへの懸念の声もあります。
  また、働く看護師及び准看護師に占める准看護師の割合を見ると、横浜市や川崎市では6人に1人、平塚保健福祉事務所管内では5人に1人が准看護師であるのに対し、小田原保健福祉事務所管内では4人に1人、足柄上保健福祉事務所管内では3.5人に1人となっており、狭い神奈川県においても地域差が大きいのが実情です。このため、准看護師の割合の高い地域ほど、養成停止に伴う地域医療、福祉への影響は大きいとも感じます。
  私は、准看護師養成停止は、こうした現場の声にきちんとこたえていないのではないかと思います。本気で改革を進めるのであれば、もっと現場の声に耳を傾け、真摯に対応することが必要なのではないでしょうか。
  9月6日に開催された第7回の看護教育のあり方検討会は、私も傍聴しました。ここでは、准看護師養成機関の関係者から切実な訴えがありました。県が2年後の准看護師の養成停止を決めた後に、今、この時点で初めて関係者の意見を聞くということだけをとっても、現場の声に耳を傾けていないと思いますし、性急な結論に地域医療、福祉の現場が混乱することは、決して県民のメリットにはつながらないと考えます。
  看護師養成課程移行のための予算措置も含めた具体的かつ実現可能な方策を打ち出すことができるのか、働きながら資格を得たい方にとって選択肢を狭めることにならないか、福祉施設の看護師不足に拍車をかけないかという不安の声があります。
  そこで、保健福祉局長に伺います。
  これら不安の声に本当に対応することができるのか。また、地域にはさまざまな事情があります。この問題は全県一律でなく、地域の実情を踏まえて、きめ細かく柔軟に対応すべきと考えますが、県の考え方を伺います。
  以上です。
〔保健福祉局長(菊池善信)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 菊池保健福祉局長。
〇保健福祉局長(菊池善信) 看護職員の養成についてお尋ねがありました。
  県は民間の准看護師養成施設に対し、看護師養成への転換に際しての県からの支援について要望を寄せていただくようお願いしたところであります。具体的なご要望につきましては、平成26年度末までに准看護師養成を停止していただけるのであれば、施設整備や教員確保など、可能な限り転換支援策を講じてまいります。
  次に、働きながら資格を得る手段についてですが、県内の准看護学科の生徒のうち6割の方が何らかの形で働いております。看護師課程になりますと、働きながら3年間で学ぶということは難しいと考えられますので、4年間をかけて学ぶカリキュラムや真に必要とする方への就学資金の重点化を検討してまいります。
  次に、福祉施設の看護師不足ですが、准看護師学校を卒業後、福祉施設へすぐに就職する方はわずかでありますため、准看護師養成の停止自体が看護職員不足に拍車をかけるということはないと考えております。
  また、看護師の新規養成につきましては、平成27年度までに約300人の定員増が見込まれており、県の養成機関でも定員増を検討してまいりますので、准看護師養成が停止されたとしても、養成数が減ることはありません。
  しかしながら、福祉施設が看護職員の採用に苦労しておられるということは承知しておりまして、看護師養成をふやすとともに、経験を積んだ看護師がみずからのライフステージの中で、福祉施設に再就職しやすくなる取り組みを検討してまいります。
  これらの取り組みについては、看護教育のあり方検討会でも検討いただいておりまして、県として具体化を進めることにより、不安の声にこたえていきたいと考えております。
  次に、地域の実情を踏まえた柔軟な対応をとのご指摘でございますが、准看護師の養成停止は准看護師制度を廃止しようとするものではなく、現在、准看護師として働いている方はそのまま准看護師として働くことができます。
  准看護師養成から看護師養成へ移行することにより、准看護師の割合が高い地域におきましても、看護師の割合が徐々にふえていくものと考えております。質の高い看護サービスは県内どの地域でもひとしく求められておりますので、准看護師養成の停止及び看護師養成への移行については、全県的に取り組むべきものと考えております。
  答弁は以上です。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〇守屋てるひこ議員 今、具体的なことができるのか、いろいろな地域の不安の声に対する答弁をなされたところです。
  1点、再質問させていただくのですが、民間の看護師養成機関、いろいろございますが、どれも40年、50年の歴史を持ってきております。先ほどの質問の中でも、現場の声に耳を傾けていないのではないかという部分がありましたけれども、この民間の養成機関が担ってきたこれまでの役割についてどう考えているのか、県のお考えを伺います。
〔保健福祉局長(菊池善信)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 菊池保健福祉局長。
〇保健福祉局長(菊池善信) 我が国の准看護師制度でございますけれども、昭和26年に戦後の急激な病院の増設に看護師の養成が追いつかないという状況の中、その当時はまだ女子の高校進学率が30%台でしたので、高校卒業を資格要件とする看護師が十分に確保することが難しかった、そういう時代背景の中で創設されたものです。
  県内の民間の准看護学校はいずれも昭和30年代から40年代に開校して、50年前後、もう既に歴史を有しております。この間、多くの方々の努力によりまして准看護師を養成していただいたことは、本県の地域医療を支える上で大きな役割を果たしてきたと思っておりまして、大変感謝をしております。
  しかし、看護教育のあり方検討会の第一次報告でも指摘されておりますとおり、現行の准看護師養成課程では、今日の医療の高度化・専門化等に対応した実践能力を身につけることは困難であり、看護師養成施設以上に実習施設、専任教員の確保が難しいというふうな課題があることから、限界に達しているというふうに認識しております。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〇守屋てるひこ議員 県の意向に沿った取り組みをするところには補助金を出す、そうでないところには補助金を打ち切る。確かに、補助金というものは、県の政策を実現するための手段の一つでありますが、やはり、私は、過去の経緯を、一緒に協力してやってきた経緯を無にするような、対立構造をあおるような取り組みには異を唱えます。
  看護教育のあり方については、今後も継続した議論が行われることになり、近く第二次報告が出されるとも聞いております。ぜひ現場の声に耳を傾ける取り組みをしていただくよう要望いたします。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〔守屋てるひこ議員登壇〕
〇守屋てるひこ議員 質問の第3は、小田原漁港整備による水産業の活性化及び地域経済への波及効果について伺います。
  相模湾の西側は、丹沢山系から湧き出る豊かな水を運ぶ酒匂川と、箱根の山々から集まるミネラル豊富な水を運ぶ早川など多くの河川が海に注いでおり、日本でも有数の良好な漁場が育まれております。これも、質問の第1で述べた適切な水循環のたまものと言えます。
  小田原を初めとする県西地域は、この相模湾というよい漁場に面し、アジやイワシなどを漁獲する定置網漁業、ヒラメやイセエビをとる刺し網漁業や、ワカメ・コンブの養殖業などが営まれております。中でも定置網漁業が盛んで、漁獲量の9割近くを占める基幹漁業であります。最近は、ブリやマグロなどの大型の回遊魚が例年になく水揚げされ、浜にも活気が戻ってきております。
  この県西地域の漁業生産の拠点となっている県営小田原漁港は、相模湾のほか、伊豆諸島や伊豆半島からも漁獲物が集まる重要な漁港であり、小田原市域のみならず、県西地域、いや首都圏によりよい水産物を供給する漁港であります。
  本県では、平成14年に小田原地区に係る「特定漁港漁場整備事業計画」を策定し、この整備事業とその他の周辺事業を合わせて129億円の巨費を投じて整備事業を実施しております。
  小田原漁港は小田原市早川に位置し、伊豆半島や箱根方面への観光ルートの通過点となっております。また、近隣の石垣山一夜城歴史公園には昨年オープンした鎧塚ファームも存在しており、交流拠点としての潜在的なポテンシャルも高い地域です。このため、本整備事業には、漁業関係者はもとより、商業関係者や観光事業関係者も大きな期待を寄せております。
  そこで、知事に伺います。
  現在の小田原漁港の整備状況はどうなっているのか、また、この事業が水産業振興にどのような効果を発揮すると考えているのか伺います。あわせて、地域経済への波及効果について、どのような期待をし、また県としてどのような支援をしていく考えがあるのか伺います。
  以上です。
〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 黒岩知事。
〔知事(黒岩祐治)登壇〕
〇知事(黒岩祐治) 最後に、小田原漁港の整備に関してお尋ねがありました。
  小田原漁港の整備は県西地域における水産物の生産、流通の拠点機能をより充実させ、水産物を安定供給させることを目的に、平成28年度のオープンを目指し、県と小田原市が連携して取り組んでいるものであります。
  これまで県では、とれた魚を一時的に蓄える蓄養水面と呼ばれる施設や、防波堤、岸壁整備など、海上工事を中心に進めてまいりました。平成23年度までに海上工事がおおむね終了したことから、今後は取り付け道路等の関連施設の整備を行うとともに、市と共同で埋め立て工事を行う予定であります。また、今後、漁協等が加工施設を、小田原市が交流施設を整備する計画となっております。
  漁港整備により、定置網で多くの漁獲があったときに、それを蓄養水面の生けすに蓄え、不漁時などに出荷することによって、水産物の安定した供給が可能となってまいります。また、加工施設では、港で水揚げした魚を鮮度がよいまま加工することにより、付加価値の高い商品が生産、販売され、漁業者の経営安定化にもつながってまいります。さらに、交流拠点には、県内外から多くの人々が訪れ、漁港の雰囲気を味わい、買い物を楽しむなど、にぎわいが生まれることが期待されます。
  このように小田原漁港の整備によって、新鮮な魚を核にして、地元水産業の振興にも大きく寄与するとともに、小田原エリアの新たな観光の拠点として、地域経済へも大きな効果が及ぶものと期待しております。
  県といたしましては、地域の魅力をさらに高めるためのアドバイスを行うなど、小田原市や地元の皆さんとも連携して、地域経済の活性化を図ってまいります。
  答弁は以上です。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〇守屋てるひこ議員 ご答弁ありがとうございました。
  小田原漁港整備による水産物の安定供給は、漁業者の経営改善につながることはよくわかりましたし、期待もしております。
  1点、再質問させていただきます。
  地域経済への波及効果として、具体的に加工業者や流通業者へどのような効果があると考えているのか、再質問をさせていただきます。
〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 黒岩知事。
〔知事(黒岩祐治)登壇〕
〇知事(黒岩祐治) 小田原漁港に新たな蓄養水面や加工施設が整備されることによって、これまで地場産の原料が手に入りにくかったかまぼこなどの加工業者の皆さんは、安定的に原材料が確保できることから、地元の新鮮な魚を活用した新たな商品開発も可能となるのではないかと考えております。
  また、地元市場で水揚げされる魚の量が安定することによって、これまで以上に広い範囲から仲買業者が集まり、小田原で取引された地元産の新鮮な魚が広く県内に供給され、多くの県民の食卓に上ることを期待しております。
  このように小田原地域のブランド力のアップにつながり、経済波及効果はさらに拡大していくものと期待しております。
  以上です。
〔守屋てるひこ議員発言の許可を求む〕
〇議長(竹内英明) 守屋てるひこ君。
〇守屋てるひこ議員 ありがとうございました。
  まさに多くの方が期待しているこの小田原漁港整備でございますが、小田原では、今、小田原魚ブランドプロジェクトというものが進行しております。まさに今の答弁のように、いろいろな魚がとれるんですよ小田原は。関サバ、関アジとかという単品ではなくて、魚種が豊富なこと、そして、小田原は首都圏に近い、市内はもとより、首都圏に近いわけですから、朝どれの魚がその日のうちに食卓や飲食店で提供される、これが小田原の魅力だというふうに私も考えておりますので、このブランド力をどんどん高めていくために、私も頑張っていきたいと思いますし、県もより一層のご支援をお願いいたします。
  また、それ以外にも民間ではほうじょうのめぐみプロジェクト、地域の魚と地域の梅とかをつなぎ合わせるプロジェクトなども進行中です。ぜひそのような取り組みを支援していただくよう要望をいたします。
  冒頭、ビスマルクの言葉を引用いたしましたが、ビスマルクはこういう言葉も残しております。政治とは妥協の産物である。私は、ここで言う妥協とは、足して2で割るとか、玉虫色の決着をするとか、そういうものではなく、異なる意見の中から、相手の立場を思いやり、対話によって新しい価値を見つけることだと考えます。
  自分の意見のみを主張するだけでは、前に進むことができないことが多々あります。私も議員としての活動が2年目に入りました。対話を継続することの重要性を学んでおります。頑張って真っすぐに歩んでいきます。
  以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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